技術者の、技術者による、技術者のための会社 株式会社ワット・コンサルティング

スクール修了後の先輩たち 古和田 悠の近況

人それぞれ違うベクトルを
同じ方向に向かして
ひとつのモノを造り上げる

考え続けることを止めない。問題を発見し、追求する。哲学から学んだルーツ

自衛隊に10年近くいて、そのあと大学で哲学を学びました。哲学とは「人間はなぜ生き、そして死ぬのか」「人間の生きる目的とは何か」を探求する学問です。

自衛隊時代は教官として若い隊員に教える立場でした。毎日若い隊員に話をする中、やがて自らにひとつの疑問を抱くようになりました。技術や知識は教えられる。でも人間として自分は何を教えられるのか。その疑問を解決するべく、最初は自衛官をやりながら夜間の大学に通っていたんです。

2011年、私たちは東日本大震災の被災地に向かい、道路の復旧作業や救援物資・資材の運搬を行っていました。そしてそれが私の転機となりました。明日、死ぬとしたら自分は何をするのか。今のままではだめだ。哲学を中途半端ではなく、真剣にやってみよう。被災地でそう思い、その後、自衛隊を辞め大学へと進学しました。

今でも答えはみつかりません。強いて言うならば「考え続けることを止めない」「問題を発見し、追求する」、それが答えなのかもしれません。その姿勢は日常において、また仕事において充分に活かせていると思います。哲学はこの世に存在するすべてのものを対象として考える学問。それはとても応用力の高いものです。

人生の生きる目的=役割を担うこと

自衛隊では、道路や橋の測量・施工管理を担当する部署に配属され、主に自衛隊施設の補修を行っていました。戦争が起これば、真っ先に破壊されるのは交通網である道路や橋ですから、自衛隊の中にもそういった部隊があるんです。それに震災などの災害時も、道路がなければ、救援物資や資材も運べませんからね。

土木の仕事は楽しい。現場で起きる様々な問題に対して、何が原因でどうすれば解決できるかを考える。もちろん一人で考えるわけではなく、チームで考え、問題を一つひとつ解決してモノができていく。

大学から大学院へと進むことも考えましたが、ちょうどその頃、子供が生まれ、経済的なことも考え、大学院はあきらめました。哲学の次に何がやりたいかを考えれば、迷いなく、それは土木でした。

橋や道路といった自分が死んでも半永久的に残るものをつくる、というのも、魅力のひとつ。子供にも自慢できますしね。でも、それ以上に楽しいことは、チームの中で自分がひとつの役割を担い、それを全うしていくプロセスだと思います。

人間の生きる目的を考えた時、その答えはまぎれもなく「役割を担うこと」だと思うのです。その喜びを感じられるのが私にとっては土木なんです。

人それぞれ違うベクトルを同じ方向に向かして、ひとつのモノをつくり上げる

施工管理の仕事とは、ひと言でいえば「判断する」仕事です。手を動かすのは職人さん。しかし、いつも順調に工程が進むわけではありません。問題が持ち上がる度に現地に足を運び「判断する」。判断を間違えれば失敗するし、適切な判断を下せれば成功する。

「工程」だけではなく、「安全」という尺度もあります。先日も大雨で法面(のりめん:切土や盛土により作られる人工的な斜面)が崩落し、現地に向かいました。ここでは「どこまで近づくか」という判断を迫られます。職人さんは作業をしやすいように「もっと行ける」と言いますが、施工管理=現場を監督する立場では「安全」を考慮しなければならない。“近づけば作業はしやすい”一方、“近づけば、危険”。その判断。

現場はそういった判断の繰り返しです。その判断に説得力のある人なら職長さんもバックアップしてくれるし、職人さんもついて来る。現場も見ずに、当てずっぽうの判断をしている人には、人はついて来ません。

判断の精度を上げるには、現場に足を運び、現場で働く人の話を聞く。そこに自ら培った経験と知識をプラスして考える。知識は勉強すれば勉強したぶん急速にでも増えていきますが、経験は時間が掛かる。だから、経験の浅いうちは人の話を聞くことがとても大切だと思います。

また、現場に足を運び、話を聞くことは、そこで働く職人さんの立場で物をみることでもあります。元請の名刺で仕事をしているからと上から目線の監督では、誰も動いてはくれません。

研修の時、諸永先生がよくおっしゃっていた言葉なんですが、「どれだけ技術や機械というハードウェアが進歩しようとも、最終的にモノをつくり上げていくのは人だから、人を大切にしなければならない」という言葉をよく覚えています。まさに、それに尽きると思いますね。

そういう風に、現場にいる人、それぞれ違うベクトルを持った人を同じ方向に向かして、ひとつのモノをつくり上げる。それが施工管理の仕事です。

出来高も求められますし、工期もある。時には条件がひっくり返えることもある。先日も2回も足を運んだのに根本的に条件がひっくり返った(笑)。それはそれで大変ではありますが楽しんでいます。

古和田 悠(こわだ ゆう)

古和田 悠(こわだ ゆう)

入社年:2015年 中途入社

入社動機:自衛隊に9年在籍。主に施設隊にて道路や橋の補修を行う測量・施工管理を担当。自衛隊在籍時より夜間の大学にて哲学を学ぶ。東日本大震災での現地での経験を機に、自衛隊を退職し、大学にて本格的に哲学を専攻。大学院にて研究を継続することも選択肢であったが、長女の誕生と土木への思いから現場に戻ることを決意。WATを選んだ理由は、「ブランクを埋める研修制度の充実があったから」と語る。ルーツが哲学であるだけに、会話が説得力に満ちている。「人生の生きる目的=役割を担うこと」という言葉が印象的。「仕事も、子供を育てることも自分が選んだ役割」。その言葉を発する空気は楽しさや充実感に満ちている。自分の関わるもの、行動を考え抜いているからこそ、確固たるスタンスとポジティブな姿勢を貫けるのだと思う。お子さんの話をする時の笑顔が最も印象的であった。

主な現場経歴

  • 01. 関西地区高速道路トンネル工事
    (路体盛土工・補強土壁工・用水地改修工)

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